資格を取るにあたって気になること。
それは、どれくらいの人がその資格を持っていて、どのくらいの人が働いているのか。
今回は、ナースの離職率について調べてみました。
潜在看護師とは?
潜在看護師という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の報告書では、潜在看護師を「看護師あるいは准看護師免許保有者のうち、
衛生行政報告例で報告されている就業場所」で就業していない看護師・准看護師と定めています。もう少し簡単にいえば、病院や診療所、訪問看護ステーション、介護保険施設、保健所などで働いていない看護師・准看護師のことです。
https://www.yoou-jin.co.jp/column/1258/
潜在看護師とは、看護師・准看護師の免許を保有していながら医療職に従事していない人を指します。
わたしの准看護学校時代の友人の中にも、准看護師を辞めてほかの仕事をしている人は何人かいます。
3年前の記事ですが、こんな記事がありました。
潜在看護師へ復職を促すには、有資格者の届け出制の徹底、マイナンバーカードを使用した有資格者の把握等が課題であるとあります。
また、労働環境を改善しない限り、人材不足は解消しないとも書いてあります。
潜在看護師について、国も危機感を持っていることが分かりました。
これからの超高齢化社会に向けて、看護職員の不足はより問題となっていくでしょう。
他の職業と看護職、就業率の違いはある?
では、他の職業と看護職で、就業率の違いはあるのでしょうか。
「新たな看護職員の働き方等に対応した看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究」分 担 研 究 報 告 書(令和 2 年度)から抜粋します。
平成 30 年(2018 年)における我が国の女性全体の就業率2と女性看護職員の就業率の比較を行った(表6、図3)。
20~24 歳の年齢階級では、女性看護職員の方が 5.03%高くなっていた。
しかし、25~29 歳、30~34 歳、35~39 歳の階級では、女性看護職員のほうが 10%以上、低くなっていた。
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202022038A-buntan1.pdf
40 歳以降も総じて女性看護職員のほうが約 2~3%低くなっていた。
女性全体の就業率と、女性看護職員の就業率の比較では、看護職の方が低くなっていました。
また、25歳~39歳までの期間で就業率が10%ほど低くなっていることが分かります。
全体で見ると、離職率は高くない
バイトルプロマガジンによると以下のとおりです。
2019年度の正規雇用看護職員の離職率は11.5%(中略)一般労働者の離職率は11.4%のため、看護師の離職率は決して高い数値とはいえないでしょう。
バイトルPROマガジン
上記を見るに、正規雇用の看護職員と一般労働者の離職率はほぼ同じ。差は0.1%ということが分かります。
では、なぜ離職率が高そうなイメージがあるのでしょうか?
慢性的な人材不足による多忙さが原因?
統計を見ると看護師の離職率は決して高いわけではありませんが、高いというイメージを持っている方は多くいます。その理由の一つとして考えられるのが、慢性的な人材不足によって起こる多忙さです。
看護師の有効求人倍率は、(中略)月によって変動するものの2~3倍と高い数値で推移しています。これは、1人の看護師に対して2~3の病院が求人を出している状態です。
バイトルPROマガジン
看護師の有効求人倍率は大体2~3倍と高い数値で推移しており、常に人材を必要としている=人材不足ということです。
慢性的に人材不足となると、一人当たりの業務量は増加します。
人材不足による多忙さから、離職率が高そうというイメージがあるんですね。
では、離職率の低い看護職って?
公務員ナースは離職率が低い
設置主体別の離職率を見ると、国立・公立病院や赤十字病院などの病院は8.5~10.2%と低い数値になっています。国立・公立病院や赤十字病院などは規模が比較的大きいだけでなく、キャリアアップによる転職が起こりづらいことも離職率を下げる要因となっているのでしょう。
バイトルPROマガジン
国立・公立の病院の看護師は公務員です。
公務員ナースのメリットは以下の通り。
・給与水準が高め
・休日がしっかり取れる
・研修などをしっかり受けられる
看護師が公務員として働くメリット・デメリット!どんな人がおすすめ?-スーパーナース
また、公務員は就業規則違反や犯罪を犯さない限りクビになることはなく、雇用が安定している点も魅力です。
准看護師も公務員になれる?
公務員ナース=看護師というイメージがあったのですが、検索したところ准看護師の求人もありました。
准看護師の公務員採用試験日程・求人情報
応募可能な求人件数 18件 (2023年12月現在)
准看護師の公務員採用試験日程・求人情報
2023年12月現在の求人情報ですが、地方公務員での募集がありました。時期的なものもあるのでしょうか、数は少ないです。自分の居住地の近くにあればラッキーですね。
まとめ
今回は、看護職の就業率、離職率について書きました。
准看護師になりたい方や准看護師の方には気になる話題。
なんと、正規職員の離職率は他の職種とあまり変わらないんですね。びっくり。
慢性的に人手不足の業界なので、業務量が増える→多忙→辞めたい→離職率が高そう、という感じなんでしょうか。
【看護 辞めたい】で検索すると、
膨大な愚痴があるもんね…。
ただ人手不足=転職ガチャ回し放題、という側面もありますから。
誰かの参考になれば幸いです。
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